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白い肌に金髪、翠緑の瞳という、生粋のフラン人であるルイスが住む長屋はマーリャス市の西の居住区にあった。
アルバートが隣の部屋に越してきた時、ルイスはどうせ今度の住人もすぐにどこかへ越してしまうだろう、と思った。
というのも、今までルイスの知る限り、そこに一ヵ月と住み続けた者はいなかったからだ。
しかしアルバートはもう三ヶ月はいる。
有り難い事だった。
ルイスと同い年の人間など、周りにまずいなかった。
そんな事もあってか、今ではルイスとアルバートは親友である。
ルイスは知っている。
彼の睡眠習慣が芯まで染み付いていたことを。
簡単に直らない事は分かっているので、それについてとやかく言うことはない。
「…だとしても、俺でもアルを馬鹿だと思いそうになるな」
「ちょ、ちょっと待て。何なんだよ?」
アルバートの慌てぶりに呆れるルイス。
――これで俺と並ぶ実力者なんだからな…
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