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全身が強張った。
─ 刃物を出される?
怖くてたまらないのに、目を逸らしてしまいたいのに‥。
あたしは、シンの手から目が離せなかった。
「ほら、これやるわ。風俗行って抜いて来いよ。」
─ え?
あたしがシンの顔を見上げたのと
「え?どーゆーこと‥。」
右側にいた、あたしを殴った男が間の抜けた声を出すのと、同時だった。
「オレが貰うわ。」
シンは、お札を数枚、右側の男に渡し、あたしの腕を掴んだ。
売るとか貰うとか、人を物扱いしやがって‥
ムカついたけど‥。
もしかしたら、助かるかもしれない‥
あたしの中で、そんな期待が頭をもたげていた。
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