chapter.01 変態

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  全身が強張った。 ─ 刃物を出される? 怖くてたまらないのに、目を逸らしてしまいたいのに‥。 あたしは、シンの手から目が離せなかった。 「ほら、これやるわ。風俗行って抜いて来いよ。」 ─ え? あたしがシンの顔を見上げたのと 「え?どーゆーこと‥。」 右側にいた、あたしを殴った男が間の抜けた声を出すのと、同時だった。 「オレが貰うわ。」 シンは、お札を数枚、右側の男に渡し、あたしの腕を掴んだ。 売るとか貰うとか、人を物扱いしやがって‥ ムカついたけど‥。 もしかしたら、助かるかもしれない‥ あたしの中で、そんな期待が頭をもたげていた。  
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