chapter.01 変態

11/15
前へ
/666ページ
次へ
  ─ ケイのヤツ‥   今度会ったら覚えとけよ‥ こんな屈辱感、あの頃以来だ。 二度と思い出したく無いこと。 固くココロに封印していたことが、頭の中に蘇る。 ─ アノコ、見てたんかな‥? 記憶を振り切るように、あたしはブンブンと頭を左右に振った。 「名前、教えてや。ま、ケイに訊いたら分かることやけどな。」 答えないあたしに苛ついているのか、運転席側の窓を開け、シンはタバコに火をつける。 どーせ、後でバレるんなら同じこと‥ それに、あたしは、人の口を通して自分のことを語られんのが嫌いだ‥ 「ユーナ。」 あたしは、シンに自分の名前を告げた。  
/666ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2472人が本棚に入れています
本棚に追加