chapter.01 変態

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  慧(ケイ)は、助手席に座ったまま、何も答えてくれない。 目の前の男に遮断され、あたしの位置から彼は見えない。 「ケイちゃん!」 「おい!抑えろ!」 買ったばかりのキャミが無造作にたくし上げられる。 後ろの座席にいる男に、抵抗する手を抑えられた。 「ケイが助けるワケ無いやろ!アイツがオマエを売ったんや。」 血の気が引くのを感じた。 ─ 売った?   なに、それ‥ 理解出来なかった。 意味が分からなかった。 ─ ケイちゃん‥   なんで?  
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