chapter.01 変態

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  不意に、男のケータイが鳴り出した。 「チッ、誰やねん!」 舌打ちして、あたしから手を離すと、その男は電話を受けた。 「あ、シンさん。はい、今っすか?亀岡ですわ。え?あぁオンナ、ヤるとこやったんすけどね‥。そう、ケイの‥。」 こんな犯罪行為を、まるで食事でもするかのように笑い混じりに話している。 あたしを襲った現状が、悪夢の中の出来事のように、あたしは感じていた。 「シンさん、待てゆーてるわ。」 ケータイをズボンのポケットにねじ込みながら、男が言う。 ─ 助かった‥ 一瞬、そう思ったけど、よく考えたら人数が増えるんだ。 あたしは、ゾッとした。  
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