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一瞬、暗い車内が後ろから近付いて来た車のライトに照らされる。
そして、また元の暗さに戻ると、後方で微かに、バタンと車のドアの閉まる音が響いた。
もう、終わりや‥
中断された悪魔の所業が、今度は決行されてしまう‥
恐ろしさに、胸が詰まった。
乾きかけていた涙が、また瞳を濡らした。
ガラッと、横滑りに左側のドアが開き、身を屈めながら男が入って来た。
「悪いな、遅なって。」
あたしにとったら、来る方が迷惑なのに‥。
まるで、合コンの待ち合わせに遅れたみたいに、その男は軽い口調で待っていた仲間に謝った。
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