prologue

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「これ一冊下さい」 「はい、千円になります」 「新刊三冊下さ~い」 「三冊、三千円です」  くい、くい。  ふと袖が引っ張られる感触が伝わった。 「こ、これ」  振り向くと本を山ほど抱えている少女が。  そして、なぜだかほんのりと顔が赤い。 「ありがとー。そこに置いといて」  少女が指差した場所に本を置く。  それと同時に、なぜ顔が赤かったのかがわかった。 「こらぁ!!優斗(ユウト)、なに千紗(チサ)ちゃんにこの本を持たせたのっ!」 「ち、違うの。お兄ちゃんは関係ないの。千紗が勝手に運んだだけだから」  慌てて少女、千紗ちゃんが言う。
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