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それでも、いつかは少女小説の魅力が伝わればいいなぁ、なんて思いながら。私は少女小説の文庫本を読み進めていた。
予想外の展開に一喜一憂しつつ、「ここで伯爵登場かぁ!」って心の中で実況する。
物語も佳境にさしかかり、私の興奮度も最高潮に達していたわけで。続きが気になって仕方がなくなれば、ページを繰る指にもついつい力が入ってしまうというもの。
夕飯までにはまだ時間があったから、このまま一気に読み進めてしまおう……って、そう思ったとき。
ドタドタと、慌ただしく階段を上る音が耳に届いた。
邪魔者はこういう時にこそ現れるもの。しかも、
「楓ぇ」
などと弱々しい声を上げている始末。
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