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「邪魔者」なんて表現したものの、本気で疎んじているわけじゃない。もっとも、読書の邪魔をされたのは紛れもない事実だけど。
むしろ、私は「やった、きてくれたぁ!」みたいな気持ちだ。
この後の状況を予想してみる。多分……いや、絶対。部屋の扉を開けると同時に、その女の子は「宿題教えてー」と懇願してくるだろう。おそらく、涙目で。
そんなことを考えつつも、ページをめくる指は決してスピードを緩めない。視線は依然として小説に釘付け。
そして。ドアノブを捻る音がする。直後、勢い良く扉が開かれた。しかし、私は今扉に背中を向けた状態で読書中。その人の顔を確認することはできない。
背後から、救援を求めるような声が私の背中に向けて放たれた。
「楓ぇ、宿題教えてっ!」
――ほら、やっぱり。
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