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「エ?エリック?」
俺は困惑した声を上げる。
エリックは笑顔で、俺を抱き締めたまま言う。
「ジン。貴方は漸く、自分の事を見始めたばかりなのですね。
良いのです。ジン。
貴方は、貴方自身の幸せも求めるべきです。
これまで、多くの命を創り育てそれらが自分で道を歩み始めた今、貴方にも余裕が生まれたのですよ。
だから、降りて触れたいと思われるようになった。
自分の思いのままに動いてみたいと思われるようになった。
違いますか?」
エリックの言葉に、俺は固まった。
確かにそうだと、思ったから。
自分の行動の意味を理解したから。
「良いのですよ。ジン。貴方だとて命の1つなのですから。
幸せを求めて、何が悪いのですか?
生きている以上、幸せになりたいと思うのは、当然の欲求なのです。
私は、貴方のお陰で幸せになったのですよ?ジン」
エリックはそう言って、俺から離れる。
俺は、困惑する。
今まで思うままに行動して来た。
その行動にそんな意味が、潜んでいるとは、思いもしなかった。
俺は笑顔で言った。
「そっか・・・・・そう言う意味だったのか・・・・・・・。
今まで、思いもしなかった。
俺は・・・・・・このままで良いのかな」
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