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「……何でここがダメなの?」
「それは……金田君たちから聞きましたが、この学園は入部までが大変らしく、頭を下げてまで入部を希望する人が沢山います。その中で先輩たちから誘ってくださるほど私を必要としているのは嬉しいです。
けど……具体的な理由がありません。
私を1部員にするには、『イケメン部』という、本来貴方たちのように男性が入部するところなのに、女性が入る時点でヘンです」
「まぁ、分かるわなぁ」
眼鏡の先輩が感心するように頷く。
「あぁ、それはこれから説明するよ」
すると彼は立ち上がり、棚から幾つかのファイルを取り出した。
「……『イケメン部10周年記念』?」
「うん。で、こっちが20周年記念のやつ」
そのうち私が読み上げたファイルを見せてもらった。
扉絵には少し見えづらいが写真をコピーしたようなものだった。それをよく見ると、ざっと10人いる中に女性が1人、部長と顧問らしき人物の隣に座っていた。ちなみにその人以外全員男性。
更に違うファイルも見せてもらうと、写真をコピーしたような扉絵がある。今度はくっきり見易い。だが先程同様、複数の男子と顧問の中に女性が1人。やはりその人以外全員男性だった。
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