Enter the club by force

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ブレザーのポケットから携帯を取り出して見ると、午後4時を過ぎていた。暇だからスケジュールツールを出した。確か入部届は明日までだっけ…… 誰もいないのに、1人、気合いを入れた私が馬鹿だったなぁ、と諦めて部室を出ようとドアに手をかけたその時、急にドアが開き、目の前には白いスーツを着た人がいた。 ヤバい。 まさかと思い恐る恐る顔を上げると、やはりそこには部長を筆頭にイケメン部の部員たちがいた。 「君は……もしかして入部する気になった?」 「……先輩に話があります」 再び緊張してきた。声が震えているのが分かる。 部員たちがぞろぞろ中へ入っていく。部長に椅子に座るよう勧められたので黒板の近くにある回転する椅子に座った。部長の席と横に並ぶ感じ。 彼と向かい合って、一呼吸おいて話した。 「数日にわたり、入部のお誘いありがとうございます」 彼が頷く。 「あれから悩みましたが、えー……正直、ここには…興味ありません。 入部届の締切日が明日なので、今日1日、じっくり考えてみようかと思います。 ごめんなさい」 椅子から立ち上がり、頭を下げた。が、顔を上げると、彼は不満そうな表情をしていた。
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