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「もしかして……私がここに来て欲しい理由って……」
「そう。今年はちょうど30周年記念の年だから君にはマネージャーをやって欲しいんだ」
じゃあさっきの写真の女性はマネージャーだったのかぁ……
頭を捻っていると、向かいから違う先輩と、彼の手にはめているパペットとの会話らしきものが聞こえた。
《ねえねえ谷田部さん、今年はマネージャー来るの?》
「う~ん、僕は分からないけど、来てくれるといいね、ヤタッペ」
《僕そこの向かいの彼女に来て欲しいなぁ。だって可愛いからマネージャーに向いてるもん》
「そうだね。でも見た目だけで決めちゃあいけないよ。
確かに彼女は可愛いけど、可愛さだけじゃ務まらないよ。ちゃんと責任をもってくれる人こそ、マネージャーに相応しいんだよ」
《さっすが谷田部さん。人間ができてるなぁ》
ちょっと意味分からないけど、可愛い。けど、いろんな意味で悲しく見えるのは気のせいか。
「でも……ここまでしてくださっても……
本当に、ごめんなさい!」
そう言って立ち去ろうとしたその時、
「「ディフェンス!」」
「うわあっ!?」
眼鏡の先輩と先程パペットと会話していた小柄な先輩が、いきなり奇妙な動きで入り口を塞いだ。
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