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「ふ~ん。でもさ、誰とも付き合う気はないって言っててさ、こうして告白されるのにうんざりしてるのなら、相手を少し知ってみようって気で誰かと付き合ってみたら?虫除けにもなるでしょ?」
「だったら…」
美優は大きくため息をついて、紫を見る。
「紫、あんたなら出来るの?」
「僕は好きな子がいるから無理だよ~。でも、美優ちゃんは「好きな人なんて居ない」って何時も言ってるじゃんか~」
「それは、そうだけど…」
紫の言葉に、美優は目を伏せる。
好きな人なんて、居ない。
もう、居ない。
もう、好きじゃない。
絶対、絶対に。
もう…二度と。
美優は顔を上げて何かを振り切るように笑みを浮かべた。
「もうこの話はお終い!私はもう家に帰るけど、あんたも遅くなんないうちに帰んのよ!」
そう言って美優は、紫に手を振り走り出した。
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