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月の明かりが、人気のない夜道に立つ四つの影を浮かび上がらせる。浪人体の三人の男が少女に襲い掛かろうとしていた。
一際目立つのは背の高い浪人体の男。六尺近い背丈を有し、異常に膨らんだぶ厚い胸板が、特異な刀法を使うことを伺わせる。
おそらく、男は秘剣の使い手だった。
男は少し離れて立ち、腰の刀には手をかけず腕を組み、口元に薄ら笑いを浮かべながら、手下達と少女の対峙を眺めている。
少女はすでに刀を抜き放ち、抗う姿勢を見せている。
二人の手下も抜刀し、左右から挟み込むようにして、少女との距離を詰める。
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