青春時代

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わたしたちより少し年上の「三無主義」と言われた世代の人たちだったら、 「え~~、そんなん、別にいらんやん」となってしまうところだろうが、なんせ、この2-5はノリはいいし、結束が固い。 たちまち、 「それはええ考えやな!決めよう、決めよう」 ということになってしまう。 担任の口出す暇も与えず、口々に曲名を言っている。 黒板にはいくつかの候補曲が書かれていく。 「ほんなら、この中から決めるで。俺らのクラスらしい歌を選ほうや。明るいのがええんちゃうか」 このクラスは単純な多数決は採らない。あくまでも意見をまとめていき、絞りこんだところで賛成かどうかを諮るのだ。 だから、いつも結果に対して不満が残ることがないのだ。 黒板に書かれたリスト曲の中からどんどんと絞り込みをした結果、2曲が残った。 「もう、この2曲で決めよ。この2曲がクラスの歌でええと思う人は手を挙げて!」 もちろん全員挙手である。 「そしたらこれから、なんかの折々にはこの2曲を俺らのクラスではみんなで唄うことに決めます。ハイ、拍手~~~」 みんなで拍手をして終わる。 ここまで、担任の出番はなかった。 本当に仲の良いクラスだった。
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