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その曲とは
「青春時代」と「木綿のハンカチーフ」
ベタといえばベタだ。
でも、そのころの私達にはぴったりだったのではないだろうか。
その後、合宿へ行くバスの中ではもちろん、体育祭や文化祭、終業式にもみんなで唄ったものだった。
この2曲を聞くと「ああ、私らの歌や」と思うようになってしまった。
しかし、3年に進級し、仲の良かった仲間もまたそれぞれのクラスに分かれてしまい、みんなで唄うことはなくなってしまった。
高校を卒業し、二十歳になったある日、同窓会の知らせが来た。
2年5組の同窓会である。
どこまで仲の良いクラスだったんだろう。
それを証明するかのように、高い出席率で、会は盛り上がった。
そして、お開きの前になって、あのリーダー格が言った。
「みんな、ここでクラスの歌を唄ってお開きにしようや。ええか、青春時代、いくで!さん、し」
久しぶりにみんなで唄った青春時代は、まだ二十歳の自分達には感慨よりも、結束の固さを確認できた曲だった。
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