束縛
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グラスの中に揺れる赤ワインは真っ黒な俺の姿を映す。黒い髪に黒いコート…… 俺の耳に届かないよう話をしている使用人達は俺を‘悪魔の化身’と呼んでいるが、そう思われた方が好都合。 ――俺への絶対的な忠誠心は薄れない。 「灯りをどうぞ」 部屋の前で煌々と灯りの灯るランタンを持ったメイドからそれを受け取ると、入り口の扉が開かれた。 華やかな扉とは裏腹に、星見の間の中は闇に包まれている。
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