束縛

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部屋の名前の通り、この部屋は星を観察する部屋で、ドーム型に造られた硝子の天井は雨水に晒されている。 円を描くように造られた床の中央には四角い箱。1メートル四方の箱を覆うように厚手の黒い布が被せられていた。 入り口の扉が閉められると心細いランタンの光が布を照らす。 「さぁ、何が入っているのか」 勢いよく布を箱から剥がすと、それは檻で、鉄の棒が中の‘それ’を逃がさないようしっかりと封をされていた。 「なん……だ、これ」 ……他に言葉が見当たらない。手紙には確かに珍しいものとは書いてあったが……
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