束縛

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人間……のようなものがうずくまっているが……その背中には白い羽根。 そして、この国では見ない銀色の髪の毛。 さっきからぴくりともしないが……死んでいるのか? ランタンを床に置き、座って暫く観察をすることにした。 「お前は何だ?」 ……応答はない。 「何故何も言わない?」 「……」 ……これではまるで俺の一人言ではないか。 不意に雨足が途絶える。流れの早い雲の合間から遮っていた月の冴えた光が射し込む。
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