祈りて乞え、天は默し、罪を定める

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 天には楽園が待っている、そこは祈る者に祝福の鐘を鳴らし、信じる者に永遠を与える。  それを疑わず男は生きてきた、上辺だけを掠い、都合よく解釈して。  歪んだ信仰に意味はない、意図も汲まずに、享楽を得ることができるだろうか、天と交歓の宴が持てようか。  否、信仰とは世の事実を真理と違えることなく、自己の深淵を知り、暗闇の中の光射す道を歩むこと。  教典に記されるは光の道に至る術、暗黒から立ち上がる支え、迷いに陥ったときの標。  楽園は、天の加護を祈り、試練を乗り越え、暗黒深淵より出で、己が導き出した光を信仰する者が辿り着ける境地である。
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