逆らい貫け、天は怒り、罰を定める

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 光無き信仰、醜い祈り、盲目の民、肥える権力者。  標無き世界、失われた神聖、奴隷の鎖、腐った為政。  いと高きもの、偉大な主の御名を悪用する支配の亡者ども。  そこに渦巻くのは何か、おお、なんとおぞましいかな、金、性、誉……  それに気づかぬ自己を放棄した愚鈍な民。  そこに流れるのは何か、ああ、なんと悲しいかな、命、生、虞……  主は何故このような愚物たちをのさばらせるのか。  私は長いときを見守って来たが、世は腐敗の一途を辿るばかり。  偉大なものよ、あなたは本当に御空で見守られているのでしょうか?  私は我慢ならない、衰頽する世界を何もせず見送るのを。  格差のある世界が、歪んだ社会が、見えない鎖に引き摺られ無様に命が奪われてゆく様が。  主が存在せぬのなら、私は私の意志に従い、自分の光を信じ、行動していく。
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