脳内☆山田涼介

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◎side Ryosuke Yamada* 今日は入学式。 だけど確か1年のときの先生が「2年生は授業があるから弁当持ってくるように」とか言ってたな。 朝の6時に起きて、俺はキッチンの前に向かう。 また早起きして弁当を作る毎日が始まるのか… 10分くらいで作った具を弁当箱に詰めていく。 山「あ…」 そういえば新入生は弁当いるのかな? 多分、入学式が終わったらすぐに帰っていいんだろうけど、もし昼休みがあったら可哀想だな… 俺は2つの箱に具を詰め始めた。 《あいつ》の分も… 学校に着くと、クラスが6組に変わっていた。 そうか、クラス替えなんてあったな… 階段を上がって、6組の教室を目指した。 その途中、窓から勢いよく自転車を飛ばしている男の姿が見えた。 新学期早々寝坊か… ああいうどんくさいやつとは付き合いたくないな。 あいつが同じクラスじゃないことを祈って、教室に入ろう。 席は、窓側の後ろから2番目だった。 なかなかの席だ。 しばらくボーっとしているとチャイムが鳴って、担任が入ってきた。 …で。 山「(なんでコイツが…)」 目の前の席には、さっき見かけた寝坊男がいた。 背が異様に高かったから覚えてる。 絶対コイツだ。間違いない。 こういうやつは大抵弁当も忘れてるパターンなんだよな。 先「おーい中島。2年生は午後も授業があるぞー」 中「…え?」 やっぱり。 ま、俺はコイツとは関わらないって決めたし、助けることは… 山「…。」 ああくそ! 関わらないって決めたのにあからさまに弁当2つ出して、コイツに分けてあげようとしている自分がいる…!← 中「山田…涼介くん…?」 山「なに、」 中「お弁当わけてください!」 結局。 俺は弁当をわけてしまった。 でも1年生は帰ったみたいだし、余るよりはいいか。 どうせ《あいつ》は新しく友達作って、どっかに昼飯でも食いに行ってるだろう。 そんなこんなで、俺の高校生活2年目が始まった。
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