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1年のときはいろいろあったけど、なんだかんだあっという間だったな。
今年はもう、あんな思いをするくらいならひっそりと大人しく1年を過ごそう。
前の席のやつがやっかいだけど、中島(だっけ?)に深く関わることはないだろうし。
てゆーかあいつ…
ピーマン残しやがった。←
いつの間にか帰りのHRも終わり、下校時間になっていた。
さて、俺も帰るか。
中「おーい!山田くーん!」
廊下から、耳障りな中島の声。
見ると、長い腕でこっちを向いて手を振っている。
くそ…そんなに見せたいかその長い腕を!←
山「あ、あはは…」
ぎこちない笑顔で手を振る俺。
中「…ぷ(笑)違うよ~!一緒に帰ろうって意味だよ~!」
な ん だ と ?
めんどくさいやつだなーと思いながらも、しぶしぶ中島のもとへ行く。
そして、2人で並んで階段を下りる。
完全に中島のペースに飲み込まれてるな、俺。
中「1年のときは何組だったの?」
山「3組」
中「へー!仲いいやつとかいた?」
山「まあ一応…」
中「クラス楽しかった?」
山「ぼちぼち」
そんな会話をして、下までたどり着いた。
ブルル…
ブルル…
ふと気づくと、右のポケットからケータイのバイブが鳴っていた。
山「誰だ?」
一件のメール。
送り主は…
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From知念侑李
屋上に来て。
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山「…。」
中「ん?どした?」
山「…わりー、先帰ってて」
ケータイを閉じて中島に別れを告げると、何も考えずに屋上へ続く階段をまた上がった。
中「え、山田くん?山田くーん?」
後ろで中島がなにか言ってたけど、そんなの聞こえなくて。
ただひたすら、足を屋上へと進めた。
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