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「崎本…」
「ん?あ、親ちゃん。おはよっ」
俺の恋人、山田親太朗がいつもより少し暗い顔で俺の家に遊びに来た。
「…どしたの?親ちゃん、なんか顔暗いけど…」
「あ、えっ…と…」
「?」
…少しだけ察知出来たのは、何かあったんだなという事。
そして親ちゃんは言うことを決心したのか、俯いていた顔を上げた。
「…崎本、俺さ、引っ越すことになったんだ。」
「ー…え…?」
…親ちゃんが、引っ越す?
「…だから、別れて?俺と…」
…別れて、だなんて。
そんなの、俺の答えは一つに決まってんじゃん。
「…やだ。」
「!え、さきも…」
俺は親ちゃんを強く抱き締める。
「…馬鹿じゃない?」
「…っ、な、崎本酷…」
「引っ越すことが別れたい理由?」
「え、う…うん。」
「…親ちゃん、俺のこと好き?」
「え…当たり前さ」
「…なら、別れないで」
「で、でも…離れちゃうさ?」
「…遠恋なんてくそくらえだ」
「…崎本…」
そして俺は親ちゃんに軽くキスをした。
どんだけ距離が離れたって、俺らの心の距離は離れない。
そう信じてるからー…。
終わる。
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