始まり。

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美しい緑色の、山の中。 切り開かれた、広い場所に 木で出来た家が建っている。 暖かみのある建物だ。 その窓から、 キョロキョロとしながら、 廊下を走る、 小さな人影が見えた。 「あれ? どこだろ?」 あどけなさの残る、 鮮やかな、紅い髪の少年が、 何かを探していた。 その頬に切傷の痕が見える。   今にも泣き出しそうなのを、 堪えているのか、 耳まで真っ赤にしていた。
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