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走るシュールの目に、
夕焼け空から夜空へと、
移る一瞬に見える様な、
藍色の髪の青年の姿が入る。
「あっフィース!
レイトみた?」
切長の瞳がシュールを見据え
青年は表情を変える事なく、
淡々と答えた。
「レイトなら庭で洗濯を……」
「さんきゅ!」
そう言ってシュールは、
庭と反対に走り出す。
シュールは、
極度の方向音痴らしい。
「……」
青年=フィースは、
敷地内なら大丈夫だろうと、
シュールを黙って見送った。
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