始まり。

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そうして走る内に、 いつの間にか山を下り、 見知らぬ場所に、出てしまう。 すぐ側には、 高い柵に囲まれた、 小さな村があった。 十数軒の小さな家と、 やや不釣り合いな、 大きな屋敷が見える。 シュールははたと立ち止まり 辺りを見渡す。 「あれ? ここどこだろ?」 其処には、 見知らぬ女性が立っていた。 揺れる麦の様な、 波打つ金色の髪に 空の様な、澄んだ青い瞳。 歳の頃は30代前半…… といった所か。
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