36人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後
「ただいまー。」
誰もいない家に麻佳の声が響く。
お母さんは、いない。
大分前にこの世を去った。
お父さんは夜の10時を過ぎなければ帰ってこない。
麻佳は一人、いつものように夜ご飯を作って食べ、お風呂に入って洗濯を済ませ、明日の授業の予習をしようと勉強机にむかった。
教科書を開いた時、なぜかふっとさみしくなった。
どうしてだろう?理由は分からない。
別に一人でいるのなんて慣れているのに。
(ああ、そうか。)
一人でいるのに慣れてしまったことがさみしいのか。
「兄弟とか、いたらさみしくないんだろうなあ。」
その呟きは部屋の中に消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!