高校1年

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桜の花が咲き始めた頃、高校の入学式があった。 県立湯川高等学校。 そこが今日から通うことになる学校だった。友達と一緒の学校見学で、自由な校風が気に入ってこの学校に決めた。 中学と違って、みんな知らない人ばかり。少しだけ緊張して、あとはワクワクした気持ちで今日を迎えた。 少しだけ早起きして、余裕をもって朝食を食べ、新しい制服に新しいカバンを持って家を出る。 「おはよー。ちづっぺ」 家の前の信号機が青になり、横断歩道を同じ制服を着た女の子が走ってくる。ショートカットの髪に人懐っこい笑顔を浮かべ、こちらに手を振っている。 あたしの隣に並んだところで、挨拶を返す。 「おはよ。亜依。今日は珍しく早いね。」 あたしの言葉に亜依は苦笑い。 「緊張して早起きしちゃったんだよ。今日だけは遅刻できないし。」 「そうだね~。入学式に遅刻はできないよね。」
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