君といると楽しいからね

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ん? 待てよ? それ既にやった気がするぞ? てか今でも続けてる気がする。 そう思いポケットに入ってるメモ帳を取りだす。 タイトルは『日向 澪と話すための百の方法』である。今のところは七十二通りまで書いてある。 パラパラと捲ると先程考えた内容が見事メモ帳に収められている。しかもご丁寧に決行中と言う文字に赤丸がしてある。 完全に書いたこと忘れてた。 自分自身から目をそらし、小声で自分に悪態を吐いてみる。結局何が変わるかと聞かれると何も変わらないわけであって……。 しょうがない、今回は逃しちゃったし今日の昼休みは作戦練るので時間をつぶそう。 しかしまぁ、こうやって見ると沢山書いたものだな。 『廊下の十字でわざとぶつかってみせる』とか『彼女の前でシャドウボクシングしてみる』とか『取り敢えずパルプンテを叫んでみる』とか改めて見ると本当に沢山書かれている。 と言うかパルプンテの横に書いてある「しかし、何も起こらなかった!」は俺が書いたのか?  そういや廊下の十字でぶつかる云々は会話らしい会話は出来なかったが話せるタイミングは作れたな。でも何で引き止めなかったんだろうか。謎い。 一通り見て感傷に浸り終えるとパタンとメモ帳を閉じてポケットに突っ込んだ。 取り敢えず帰りは新しいメモ帳を買っておこう。
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