君といると楽しいからね

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等と考えていると、戦争終結後の様な一時的な静けさと、一年前のカレンダー並の存在感を持つ俺との共存を果たすこの教室に、扉を開ける音と言う侵入警報が鳴り響く。扉には背中を向けてゴミ共と格闘しているから誰が入ったかは分からないが、大方忘れモノしたと言う処だな。 「ん?」  俺の声とはまた別に女の子の声が聞こえてくる。お目当ての物でも見つからなかったのかね。それは兎も角まだあのケーキ屋さんやってたかな。確か5時までだった気がするんだけどな。あれ? そういや今日は月曜だからサービスデーか? あぁ、そうだ。今日サービスデーだ! 何たることだ。この俺がそんな貴重な日を忘れてしまうなんて。  「イカンイカン!」  今はこのクラスに俺含めて二人、俺除いて一人いる事をすっかり忘れてしまったのにも関わらず、大きな声で叫んでしまった。もしかしたら気付かれてないかも知れないが、ここで何も思わないのは余程神経が筋肉見たいに太い人だろう。俺は恥ずかしくなり、照れながら後ろに居る女の人がどんな表情か気になり振り返ってみた。  その子の顔を見て俺は気付く。
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