君といると楽しいからね

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翌日。朝日と真っ裸の桜の木を呆然と眺めながらアスファルトを蹴っていても、意識せずとも当然体は前へとすすんで行く。そんな呆然とする俺の思考回路は今何を考えているかと言うとケーキ屋さんの話である。 昨日はあの後ケーキ屋さんで出会うのでは? と栗金団より甘い事を考えていた。現実は無情であり、そんな甘甘スイーツな展開は現実に起こる事も無く、俺の甘味物は腹へと収まっただけで終わってしまった。 て言うか昨日は普通にサービスデーでも何でも無かったぞ。誰だ今日はサービスデーとか何とか言った奴。俺だバッキャロウ。 ふと頭を上に持ち上げてみれば目の前にあるのは見慣れたあの灰色の門がある。 何だ、もう着いたのか。 毎回思うがやけにウチの学校の校舎は綺麗だ。流石創立二周年の子供用簡易プール並の浅さを持つ歴史だ。まぁ、綺麗だからここ選んだんだけどな。後、先輩居なくて楽だし。 既に頭の中に入っている道順を思い出しながら校舎めぐりを繰り返し、辿り着くのは我が教室。日向が居るあの教室だ。
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