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彩られた駅前
笑い声が聞こえる駅前
そんな中
歩美は青いベンチにユラユラ向かう
何人かのクリスマスを
満喫するカップルが
歩美を見て
微笑している
歩美はベンチの前まで来た
そこには
和喜はいない
どこを見渡しても和喜は
いない
あるのは
歩美を見て微笑する
多くのカップルだけ
歩美「和喜...」
歩美は青いベンチの前で
ペタリと座りこんだ
歩美「和喜...私を一人にしないでよぉ...」
歩美は暗い空を見上げ
泣いた
そんな歩美の姿を見た
カップルは微笑を止めた
歩美「和喜...ホントに死んじゃったの?」
「嫌だよ...そんなの...」
「和喜がいないのに私はどうやって生きていけばいいのよ...」
「帰って来てよ...」
「一人にしないでよ...」
「帰ってきてよぉぉぉかずきぃぃぃぃぃ!!!」
歩美は空に向かって
叫び泣いた
いつの間にか
周りにいたカップルは
涙をこぼしていた
それを慰めるかの様に
雪が降ってきた
その年のクリスマスは
多くの雪が振り
多くの涙が雪を溶かした
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