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書いている間に
日付をまたいだのだろう
記入された
日付が次の日になっている
12月25日(火) 00:10
歩美、
愛している
その字はとても大きかった
歩美「はっ..!?」
「あうぅぅぅ...」
「うぁぁぁぁん」
歩美は泣いた
広くない和喜と過した
部屋に
歩美の泣き声が
響き渡った
歩美「和喜のばかぁぁぁ」
「そんな事、言われなくても」
「わかってたよ」
歩美は泣きながら
和喜に『バカバカ』と叫んだ
歩美「最後の日記くらいもっと長く書いてよぉ」
「『クリスマス一緒に過したかった』とか書いてよぉ」
「『歩美の誕生日を祝いたかった』とか書いてよぉ」
「最後に『愛してる』だけなんてズルイよぉ」
「和喜のバカァァァ!!」
その声は
部屋に収まらず
暗い、雪の降っている夜空に
流れ、消えていった
そして最後に小さく口を開いた
歩美「ありがと和喜」
泣き顔では
あるが笑顔を作り
和喜の最後の日記に
「ありがと、和喜」
と書き加えられた
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