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時同じくして、澪は少し落ち着き始めたが、俯いたままなのは変わらない。澪を落ち着かせる為に里原が買ってきた飲み物ですら飲まずに持ったまま。
「…秋川。お前、どうするんだ?」
臓器提供の事だ。
「…意志表示してるんだってな。」
「…っ。」
澪は答えない。否、答えられない。
「辛いのはお前だけじゃないんだ。…山本さんのお母様とよく話し合え。」
またはらりと涙が落ちる。
真里は夫の充を呼んだ。
「あなた…。翔太郎が…、翔太郎が…。」
「真里か。翔太郎に何があったんだ?」
「今すぐ柏木総合病院に来て。」
「分かった。すぐに行く。」
真里は電話を切り、近くにあったソファーに座る。
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