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「真里さん、充さん。」
声をかけると、慶次に支えられた体を自ら離す。もう大丈夫よ、と。
「澪ちゃん…。翔太郎…、どうなっちゃうの?このまま死んじゃうの?」
まだ状況を把握していない充が、真里に落ち着くように促す。
「澪ちゃん、翔太郎はどうしてこんな事になったのか、聞かせてくれるかい?」
「はい…。翔太郎君、事故に巻き込まれて、意識不明の重体で運ばれて、ER医が手を尽くしましたが、脳死で…。」
充は何も言えなかった。澪もまた何も言えなかった。しかし、澪は医者である。医者としての務めを果たさなければならない。
「真里さん。充さん。聞いてください。」
「秋川先生っ。」
「大丈夫。自分で話す。」
翔太郎の恋人であり、医者である澪を複雑そうに見つめる。
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