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実花達は完全に腰が抜け、女子二人と男子一人は気絶。由と実花は震え。残る男子一人は、逃げ出そうと必死に四つん這いで来た廊下を戻ろうとしていた。
だが、その男子は
「うわぁああああぁぁ!放せよ!!誰か助けてくれ!!」
それを聞き振り向くと床から手が出てており、その男子の足首を掴んでいた。その周りに黒い影が集まりだし、覆い被さろうとしていた。
「ねえ……実花、どうする。このままだと…みんなみんな」
由もまた脅えて、目に涙を浮かべ、言う言葉は恐怖のあまり震える。実花はもうダメだと思い、呼びかける声にも答えず、ただ見てるだけ…そうしてると肩に冷たいものが触れた。
「まずは……あなたから……」
その声が聞こえ…由の声が響く
「実花、逃げて!!」
実花は、その声に我に返り、振り向いてしまった。そこにいたのは、両目のない青白い人の形をしたモノの顔だった。
「ぁ…ぁぁ…」
声にならない小さな震える声を、出しもうダメだと思った。
「綺麗な目……私にちょうだいよ」
そう言うと、肩に掛けてた手で実花の髪を鷲掴みにし、引き千切れんばかりの力で引っ張る。そして、もう片方の手は目に近づけていく。
「い…いや…」
「実花!!」
由は助けることが出来ず。実花も抵抗できず。恐怖ともう、ダメだという状況中に
「ちっ、放しな!『風鷲刃(ふうしゅうじん』」
その声と共に、風が音をたてながら何かが飛んできた。それは、ブーメランの様に曲がり実花とモノの間を引き裂いた。
「!?」
「おのれ……邪魔をするな!!」
実花と由が驚くなか、モノがそう叫ぶ。すると壁や廊下から手や影の様な人の形が現れた。
「たく…多勢に無勢か」
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