~一談~春風吹くは始まりの夜

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その後、彼女は慣れ始めた高校への通学路を歩き進む。通学路があるのは、聖山の麓に沿って建つ商店街や家々、古くからある図書館の前、綺麗な花が咲き乱れるオープンガーデンで有名な場所の近くを通り着く。 「おっはよ~実花~。ちょっと聞いて聞いて」 実花に明るく声かける女の子。彼女は黒井 由、この子は高校に入ってからの初めて友達になった。 「おはよう由、何かあったの?」 靴を下駄箱に入れてると、いつも元気な由が、今日はさらに元気に話しかけてくる。 「昨日ね。出たんだって」 由は目を子供のように輝かせながらそう言った。実花は大体察しはついたが一様聞いてみた。 「出たって何が出たの?」 そう聞き返されて、由は目の輝きが消える。ふぅ~とため息をつき 「もぉ~実花は、出たんだって昨日第二校舎にグランドを見てる女の幽霊を。見た人にちゃ~んと聞いたんですからね」 そう由は言った。でも、実花は小さい時からそう言うのは見てきた。最近はうまくやり過ごすが危険な時もあったりした。だから、あまりそう言うのには関わりたくないのが本音である。 「ふ~ん、見間違いじゃないの?ほら、保険委員が張ってるポスターとかね」 そう返すとふぅ~とまた、ため息をつく由だった。そんな会話をしながら、二階に上がり廊下を進み教室に着いた。中は大いに騒がしく。また、昔も今も変わらぬ10代・青春時代の高校生で、中で話されているのも、実花と由の会話と同じ第二校舎の女の霊の話
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