2日目‐実験4‐

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右腕。 左腕。 右足。 左足。 そのどれもが、バラバラにされた状態で箱に入っていた。 そして1番上には、こちらを見つめている真っ赤に染まった頭部。 その顔の頬は所々が爛れていて、数匹の蠅が止まっている。 箱を覗いた者を恨めしそうに睨んでいる瞳。 白目や黒目の識別が出来ない程に、白濁してしまっている。 不意に勢い良く胃液が逆流してきたが、喉仏を大きく動かし飲み込んだ。 まるでゴミ箱だ。 不要になったものを、適当に放り込んだような…… 爛れた頬の上で、数匹の蠅はご機嫌そうに触覚を動かしていた。
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