2日目‐実験4‐

36/39
前へ
/936ページ
次へ
間もなくして、志朗が口の周りを拭きながら涼子の傍へと歩み寄った。 だが視線は涼子ではなく、扉を見つめている。 部屋にある唯一の扉を。 「……和希、ごめんね」 血で濡れている和希の髪を撫でながら、掠れて今にも消えてしまうそうな声で言った。 既に涙は止まっていて、落ち着いた様子で頭部に話しかけている。 「和希、仇は取るからね?」 誰が殺したのかは定かではないが、涼子の中では前川が殺したと確信しているらしい。
/936ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25647人が本棚に入れています
本棚に追加