少年と彼女の日常

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「どれからやんの?」 彼女からターボライターを受け取って左手を出す。 「これ!」 と、数ある選択肢から選ばれたトップバッターは、ドラゴン。 地面に置くタイプで、火をつけると火花を噴き上げるアレだ。 「いきなり?」 ドラゴンは終盤だろ、普通。 「最初は景気よくいきたいじゃない?」 「それなら打ち上げの方が…」 「それは最後って決まってるの!」 「え?じゃあ線香花火は… って、ちょっと待った!そんなに束にして点けたら危ないって!」 「だいじょうぶ。これくらいの方が迫力が―」 ボトッ。 「「あ。」」 「だから言ったじゃんか! うわ、全部使ってるし。」 「アハハハ!!短すぎじゃない!?」 「一個ずつやれば綺麗なのに…」 「ねえ!次はどれやる!?」 「待って、今袋に水入れてくるから― あ!ちょっと、それ早く下に置いて!」 「これは手持ちだよ!」 シュパッ!シュパッ! 「おお!! りつー!そっちに行くと危ないよー!」 「えー? うわ!!こっち向けんなって!」 「アハハハ!それ逃げろー!」 「ちょ、いや、マジで危ないから! っとと、あ!」 バシャ!! 「あーあ、台無しだ。」 「誰のせいだよ。」
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