青い惑星

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無言で佇んでいたリモが シートに横たわる。 彼の体の上を電磁シールドが 覆う…。 側頭部から伸びてきた細い アームがリモの全身に僅かな 空間を保ちながら放電装置を 沿わせた。 リモの動きに合わせ稼動する為 空間は維持され、装置がリモに 直接触れる事はない。 『さて始めよう…』 ボイスの声が脳内に響く。 クローズドチャンネルへと 戻したのである。 『これから学習する内容は 既に君は履修済みなのだが、 プログラムのフィルターを 外したオリジナルの情報を 一気に移植する。 そこにあるのが本来の人間の 姿だ…。 君と同じ身体能力を 有している。 学習範囲は 2999年の巨大隕石衝突までだ。学習時間は6時間。 脳の限界を越えてはいるが 内容を覚える必要はない。 既に履修している。 各場面での、登場人物達の イメージをプリントするのが 学習の狙いだ。 それでは脳を睡眠状態に 誘導する。 6時間後に会おう… … …』 ボイスの最後の言葉がやっと 理解出来る程のタイミングで、 リモはレム睡眠学習に入った。 .
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