人間という動物の姿

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学習シートに横たわったリモが 次第に深い睡眠に入る。 眠りは深いが 脳は覚醒状態にある…。 レム睡眠である。 地球の《命》としての創成から その歴史は始まった。 大地としての創造から漏れた 余剰物質から大気が生まれ 化学反応を起こし、 地球を一つの《生命体》として 命を吹き込んだ。 やがてその上の 海と呼ばれる広大な池に 小さな寄生者が産まれる。 その姿は次々に変わり 大きさを増していく。 寄生者は多様な生命体に分かれ その内の一つが冒険を図る。 陸への進出である。 その末裔がリモの祖先 《人類》であった。 時は既に 46億年が経過していた。 その後の人類は驚異的な スピードで地上を制覇した。 だがここで問題なのは その人類の姿は、 皆同じであったという事だ。 それは リモの姿と酷似していた。 最初は《人種》という カテゴリに分かれていたものの 西暦2900年頃には 殆どが同様の容姿に統一を みていたのである。 .
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