青い惑星

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リーディングボイスは単なる 《知能》であり躊躇いはない。 感情は発生しないように設計 されていた。 『先ずは君自身の事を理解して 貰う。君がこれ迄暮らして来た この広い空間は、実は世界では ない。 外界には、限りなく広い空間が 広がっている。 この空間は 隔離された空間なのだ。 その理由は、 君が他の人間とは違う能力を 持つからだ』 「外界…?隔離…?何の事…? 意味が解らないよボイス? 他の人間と違う能力を持つのは 当たり前だよ。 皆違う姿をしているし、 能力も様々だ… 当たり前の事じゃないか」 『リモ、 ここには人間は君しかいない。 サービス係のメビウスが アンドロイドなのは理解出来て いるね? だが、君の友達も皆 アンドロイドなのだよ』 「え…?何を言ってるの? そうじゃない、みんな種は違う けど同等の立場だよ。 アンドロイドとは意味が違う」 『それでは電磁シールドを外し 学習スペースを出てみよう。 私もこのクローズドチャンネル を出て、オープンボイスに 切り替える』 リモにはボイスの説明が理解 出来ずにいた…のだが、指示に 従う事にした。 電磁シールドを外すと それまでシールドの中でしか 聞いた事がないボイスの声が、 まるで対面して話しているかの 様に聞こえてきた。 『こっちだリモ…』 目の前の人間に誘導される様に 声に立体感がある。 シートから起き上がったリモは ボイスに誘われるままに 学習スペースを後にした。 .
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