青い惑星

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この学習時間帯に於ける 学習スペースの外の様子を見る のは、リモにとっては初めての経験であった。 静まりかえった世界に 各設備を運転するモーター音 だけが微かに聞こえている。 『友達の様子を見てみよう』 ボイスがリモを 他の学習スペースへと誘う。 『ドアを開けてご覧?』 リモは自分にも解らぬ恐怖に 抑えられ、身動きが取れずに いた。 『………』 ボイスの暫くの沈黙の後、 〈ム゛~……〉 ドアが独りでに開いた。 正確に言えば、 ボイスが制御システムを作動 させたのだ。 『ここには君の親友、 ジコがいるんだね?』 ボイスは自分に何を見せようと いうのだろう…? これから一体(何を)学習する というのだろうか…? 不安に駆られながらも リモが僅かに頷いた。 「うん…」 .
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