青い惑星

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『ジコを呼んでご覧?』 ボイスが言った。 リモはジコが横たわる 学習シートを回り込み、 ジコの顔の側へと移動した。 「ジコ…?」 恐る恐る声を掛けてみた…。 ジコの反応は無かった。 「ジコ…?ジコ?…ジコ?」 何度も声を掛ける。 しかしそこにジコの反応は ………無かった。 「ジコ!起きてジコ!?」 〈バンバン!!〉 リモが学習シートの縁を叩く。 しかしジコは何も応えない。 ここである事に気付いた。 「何…?この学習シート…、 作動していないんじゃ…?」 学習シートが作動しているなら 中の《人間》には反応がある筈 である。 情報を電気信号に換え、 脳に直接伝達する。 そこには実存しない映像や 音も含まれ、《人間》はそれに 反応し、反射運動が起きる筈 なのである。 『そうだ。作動していない。 ここの五体の学習シートの内、 実際に作動しているのはリモ、君のシートだけだ』 「何…?どういう事なの? 他の皆は学習していないの?」 『していない。する必要がない。 彼等の頭脳には、必要な情報は 全て、既にインプットされて いるからね。 彼等は… アンドロイドなのだよ』 「………そんな…」 .
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