青い惑星

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「僕だけが人間…」 リーディングボイスが 嘘を吐く事は有り得ない。 リモは状況を判断出来ないまま 混乱の中にいた。 「僕だけが人間…」 単なる《知能》でしかない ボイスが冷徹に言い放つ…。 『そう。 ここでは君だけが人間だ。 しかし外の世界には君以外にも 多くの人間がいる。 但し君とは姿が違う。 君は特別な人間なんだよ』 リモに不安が広がる。 「特別な人間?姿が違う? 一体どういう事なの…?」 『今まで君が学習してきた中に 《地球》の歴史があったね? あの星の人類は、実は全て同じ 姿をしている。 多少の違いはあるが、 皆が同じ機能の一つの種だ。 それは君と同じ姿だ』 「え?違うよ。 人類は元は同じ姿だったけど、 争いを繰り返す内に それぞれ姿が違ってきたんだ」 『あれはプログラムが 調整されているんだ。 君が種の多様性に精神的に 適応出来る様にね。 実際には同じ種の中での 違いはあったが、それぞれの 地域間の混血が進む内に、 姿は誰も殆ど同じになって しまったのだ。 修正プログラムがある。 シートに戻り学習を再開 しよう』 .
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