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永遠の時を生きた可哀想な人の話....
ある日その人は世界に産まれた
白い髪 赤い瞳
彼女は独りだった
誰もが彼女に石を投げた
「なんで....ただ死ねないだけなのに....」
「なんで....望んだ訳では無いのに....」
孤独な日々はまた巡り行く
弱音ばかりが口を突く
誰かがこう言った
「お前なんで泣いてるの?」
青い髪の貴方はそう言って手を伸ばしてくれた
永遠の時を生きた可哀想な人の話
永遠の命なんて
望まないから殺して
青い髪の若者と
彼女は暮らし始めた
死ねない体の話をしても
彼は笑って「それで?」と言った
仲睦まじく続く
幸せな日々よ
この時間が永遠だと
あの日は感じてた
一人老い行く若者をみて
それでも共に居たいと
赤い瞳に涙を湛え
彼の最後を見ていた
永遠の時を生きた可哀想な人の話
別れを繰り返して
また涙を流すの
また独りだと
彼女は言う
隣を見ても
既に彼の姿は無い
永遠続く
悲しみ背負い
それでも死さえ許されぬ
白い髪を振るわせながら
叫ぶ声は木霊した
「なんで私は....独りになるの?」
「なんで隣に....誰も居てくれないの?」
弱音ばかり洩らした日々
ツマラナイ時間は永遠
「もう何もかも望まないから、誰か....私を楽にして....」
永遠の時を生きた可哀想な人の話
傷付いた心
永遠に抱いて生きる
癒えない傷は消えない痛みへ
「誰か私を楽にして....」
彼女のその後を知るものは居ない
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