第二章  庭先の影

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 ちょっと後ろから声をかけて、 「驚かしてやろう」  と思って、そっと、庭に下りた。  ヒロの背中が、すこし揺れていた。    声を出さずにわらったようだった。  あたしの頭の中に「?」がわいた。  ヒロが、話しているように思えたからだ。  植え込の陰の誰かと。。。 「ふふ」  ヒロが含み笑いをした。 「。。。そんなことないよ。。。お兄ちゃんと、あたしを離そうとしてるなんて。お姉ちゃんも、お兄ちゃんと仲良くしようと思っただけよ」    あたしには「植え込」の陰に隠れているのが誰か、ピンときた。  ・・・いくら小さい子だって!  怒りはしない。  怒るつもりはないけれど。。。  でも、だまって他人(ヒト)の家(ウチ)に、はいりこんでくるなんて、「ずうずう」しくない?
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